概要
本記事では、OpenAI社のVision APIを用いた画像検索の精度とその応用について解説します。具体的には、画像から商品名を特定するケーススタディを通じて、APIの利用方法とその効果を探ります。
OpenAI Visionとは
OpenAI Visionは、画像に含まれる要素を分析し、それらに関する詳細情報を提供するAIベースのツールです。特に、画像中のオブジェクトやシーンの認識、分類に優れています。
ケーススタディ: トレファク商品紹介ブログ
方法
トレファクさんの商品紹介ブログの画像を使用し、Vision APIを用いて画像検索を行いました。以下にその手順とコードを示します。
- OpenAIのPythonライブラリをインストールし、APIキーを設定。
- Vision APIを呼び出し、画像のURLをパラメータとして渡す。
- 結果を受け取り、解析。
pip install --upgrade openai
from openai import OpenAI
import os
import openai
os.environ["OPENAI_API_KEY"] = "your_api_key_here"
client = OpenAI()
response = client.chat.completions.create(
model="gpt-4-vision-preview",
messages=[
{
"role": "user",
"content": [
{"type": "text", "text": "What’s the items' name in this image? Specify the brand and series of items. If you have several names, please list up all. Answer must be in Japanese."},
{
"type": "image_url",
"image_url": {
"url": "image_url_here",
},
},
],
}
],
max_tokens=300,
)
print(response.choices[0])
結果
試行した結果、APIはニューバランスのスニーカーやアディダスのスポーツウェア、シチズンの腕時計などを識別しました。ただし、具体的なモデル名やシリーズを特定することは難しかったです。
例えば実際に試した画像はこちらです。そして実際に返ってきた回答はプロンプトは「写真に写っているアイテムは「ニューバランス」のスニーカーです。左側のスニーカーは「ニューバランス 992」、右側のスニーカーは「ニューバランス 990v5」の可能性が高いです。ただし、モデルの特定は靴の側面やタグの詳細が見えないため確定的なものではありません。また、色や素材についてのシリーズ特定はできません」といった内容でした。
考察
画像の詳細に応じて、APIの精度は変動します。完全な自動化には至らないものの、商品名候補の提供や、最終的な確認作業の支援ツールとして有効です。
応用と実装の提案
Googleスプレッドシートの統合
エクセルに移植されたGoogleスプレッドシートを使用し、画像検索の結果を自動で記録し、商品名候補を提示するシステムを提案します。
UI/UX
Googleサジェストのような直感的なインターフェイスを目指し、最終的な決定は人間が行う形式が望ましいです。
コストの考慮
OpenAIの従量課金制を考慮し、コスト対効果を検討する必要があります。例えば、1024×1024の画像1枚あたり約$0.00765のコストがかかります。
結論
OpenAI Visionは、画像検索の精度を高め、商品識別プロセスをサポートする有力なツールですが、完全な自動化は現段階では難しいと言えます。それでも、部分的な自動化と人間の最終判断を組み合わせることで、効率的なシステム構築が可能です。
この記事が画像検索の精度向上とその応用に関心を持つ方々にとって役立つ情報となることを願っています。